INDEX of this page
|概要&問題提起
|ARアプリの販促戦略
|年賀状での活用
|アパレルでの活用
|結婚式場での活用
|まとめ|
概要
企画概要
AR試着アプリを、業界別の販促資料として売れる商材へ育てる
この記事では、AR試着アプリを法人向けに提案するため、業界別の販促資料を制作した取り組みを紹介します。
アパレルの服を画面上で試着できる「試着アプリ」は、競合アプリも多く、決して珍しいものではありません。
そのため、単に「ARで試着できます」と伝えるだけでは、クライアントに導入価値が伝わりにくい状況でした。
さらに、自社開発の技術不足や社内リソースの制約もあり、受注が増える見込みがなければ、開発リソースを大きく割くことも難しい状態でした。
そこで私は、いきなり大規模な機能開発を目指すのではなく、最低限の機能でも売れる見せ方を作ることを考えました。
ARアプリの機能そのものを売るのではなく、「誰が、どの場面で、どのように使うとメリットがあるのか」を業界別に示すことで、クライアントが導入後の活用イメージを持てるようにしました。
司会パンダ この記事で整理していること
- AR試着アプリを売る上での問題提起
- 自社開発リソースが限られる中でのスモールスタート戦略
- UIデザインと販促資料による商材価値の強化
- エンドユーザー側の使用用途・メリットの整理
- クライアント側の導入メリットとビジネススキームの明確化
- 年賀状での近況報告・家族コミュニケーション活用
- アパレル法人向けの試着イメージ訴求
- 結婚式場におけるドレス試着時間の短縮・検討支援
- 業界別チラシ制作による受注機会の拡大
この企画で大切にした視点
この企画で大切にしたのは、ARアプリを「技術デモ」で終わらせないことです。
ARは目新しさがありますが、クライアントにとって重要なのは、導入することで売上や業務効率、顧客体験にどのような効果があるのかです。
そこで、アプリの機能説明だけではなく、業界別に「使う人」「利用場面」「導入メリット」「販促効果」を整理しました。
- 年賀状では、家族や友人へ近況を伝えるコミュニケーションツールとして提案しました。
- アパレルでは、消費者が試着後のイメージを手軽に確認できる販促ツールとして提案しました。
- 結婚式場では、ドレス試着にかかる時間や検討負担を減らし、カタログ段階でイメージしやすくする提案にしました。
このように、同じAR技術でも、業界ごとに見せ方を変えることで、受注につながる商材へ育てることを目指しました。
※ 当企画書は、私が主導ですべてのプロデュース・資料作成を行っております。
一般配布もしている資料ですが、当頁のような掲載活用については、元職場に利用許可を得ております。
※ 閲覧者の皆様には、保存、複写、転用、転載は禁じますのでご了承ください。
01. 概要&問題提起
問題提起
AR試着アプリは珍しくない。だからこそ、売り方の設計が必要だった
AR試着アプリの競合環境
アパレルの服を画面上で試着できる「試着アプリ」は、競合アプリも増えており、決して珍しいアプリではありません。
ユーザーがスマートフォンやタブレットを通して、自分に服を重ねて見られる機能は、AR活用の代表的な事例です。
しかし、競合が多いということは、単に「ARで試着できます」と言うだけでは差別化が難しいということでもあります。
クライアントに導入を検討してもらうには、技術の説明ではなく、具体的な活用シーンと導入効果を伝える必要がありました。
社内事情としての課題
当時は、自社開発の技術不足やリソースの社内事情もありました。
受注増につながる見込みがなければ、開発リソースを大きく割くことができません。
つまり、完成度の高い大規模アプリを最初から作るのではなく、最低限の機能をベースに「どう売るか」「どう見せるか」を考える必要がありました。
最低限の機能を、どう売れる商材にするか
そこで、私はスモールスタートで売り方を考えることになりました。
- アプリの機能を増やすよりも先に、業界別の導入イメージを作る。
- クライアントが「自社でも使えそう」と感じられる資料を作る。
- エンドユーザーにとってのメリットをわかりやすく伝える。
このように、機能開発よりも先に、販促資料と提案設計を強化する方向で動きました。
02. ARアプリの販促戦略
販促戦略
UIデザインと提案資料で、ARアプリの使用用途とビジネススキームを明確にする
対策:売れる商材へ進化させる
私は、UIデザインと販促強化を担当し、ARアプリを売れる商材へ進化させることを目指しました。
重要だったのは、アプリの機能を説明することではありません。
- エンドユーザーがどのような場面で使うのか。
- 使うことで、どのような体験やメリットがあるのか。
- クライアント側には、導入によってどのような販促効果や業務改善があるのか。
この3つを整理して、資料として伝えることでした。
エンドユーザー側のメリットを見せる
ARアプリは、利用者にとって「面白そう」と感じてもらいやすい技術です。
しかし、面白さだけでは継続利用や導入決定にはつながりません。
そこで、エンドユーザー側のメリットを明確にしました。
- 自分が着た後のイメージを手軽に確認できる
- 試着や撮影の心理的ハードルを下げられる
- 家族や友人と画面を見ながら相談できる
- 購入前の不安を減らせる
- イベントやキャンペーン参加のきっかけになる
クライアント側のメリットを見せる
クライアント側にとっては、ARアプリの導入が売上や集客、業務効率にどう関係するかが重要です。
そのため、次のような導入メリットを資料内で示しました。
- 店頭やイベントでの話題作りになる
- 商品やサービスを体験型で訴求できる
- カタログやチラシだけでは伝わりにくいイメージを補足できる
- 試着や相談前の検討時間を短縮できる
- キャンペーンやSNS拡散と組み合わせやすい
- 業界別に提案資料を用意することで営業しやすくなる
ビジネススキームとは
ARアプリも、単にアプリを作るだけでは事業になりません。
- 誰に売るのか。
- どの業界に提案するのか。
- どのような資料で営業するのか。
- 導入企業にはどんなメリットがあるのか。
- ユーザーにはどんな体験価値があるのか。
これらを整理することで、ARアプリを商材として扱いやすくなります。
業界別チラシを制作した理由
ARアプリは、使い方次第で多くの業界に応用できます。
しかし、営業先ごとに「自分の業界ではどう使えるのか」が伝わらなければ、受注にはつながりません。
そこで、業界別に10種以上のチラシを制作し、活用イメージを具体化しました。
ここでは、その一部として、年賀状、アパレル、結婚式場の3つを紹介します。
司会パンダ 03. 年賀状での活用
年賀状活用
年賀状で友人や家族に近況を伝える価値を、ARで再認識してもらう
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
年賀状を、近況報告の体験メディアにする
年賀状は、友人や家族に近況を伝える日本らしいコミュニケーション文化です。
しかし、SNSやメール、メッセージアプリが普及する中で、年賀状を出す機会は減りつつあります。
そこで、年賀状にARを組み合わせることで、紙の年賀状に新しい体験価値を加えられないかと考えました。
たとえば、
- 年賀状にスマートフォンをかざすと、家族の動画メッセージが表示される。
- 子どもの成長記録や旅行写真、近況報告の動画が出てくる。
- 干支のキャラクターが動き出す。
このような体験を加えることで、年賀状を単なる紙面ではなく、思い出を届けるメディアとして再定義できます。
エンドユーザー側のメリット
- 紙面だけでは伝えきれない近況を動画で届けられる
- 家族や子どもの成長を楽しく共有できる
- 受け取った側が驚きや楽しさを感じやすい
- 年賀状を保存したくなる体験にできる
- SNSとは違う、個別感のあるコミュニケーションになる
クライアント側のメリット
年賀状印刷サービスや写真館、印刷会社にとっては、AR年賀状は差別化要素になります。
普通の印刷だけでなく、動画連動やAR演出をセットにすることで、単価アップや新しいキャンペーン展開が考えられます。
また、家族写真、子ども写真、ペット写真、結婚報告、出産報告など、複数の利用シーンへ展開できます。
資料で伝えたかったこと
この資料では、年賀状の本来の価値である「近況を伝える」という目的を再認識してもらうことを重視しました。
ARを使うことが目的ではなく、年賀状の温かさを補強する手段としてARを使う。
そのように提案することで、技術に詳しくないクライアントにも導入イメージを持ってもらいやすくなります。
04. アパレルでの活用
アパレル活用
消費者が試着後の姿を手軽にイメージできる販促ツールとして提案する
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
アパレル法人向けの提案
アパレル業界では、試着後のイメージを消費者に伝えることが重要です。
店舗であれば実際に試着できますが、ECサイトやカタログ、イベント会場では、購入前に着用イメージを持ちにくい場合があります。
そこで、AR試着アプリを使い、消費者が自分に服を重ねたイメージを手軽に確認できるようにする提案を考えました。
消費者側のメリット
- 試着前に、自分に似合うかをイメージしやすい
- 店舗に行かなくても着用イメージを確認できる
- 家族や友人に画面を見せながら相談できる
- 色やデザイン違いを比較しやすい
- 購入前の不安を減らせる
法人側のメリット
- アパレル法人にとっては、AR試着アプリを販促ツールとして活用できます。
- 店頭イベントや展示会で使えば、来場者の興味を引きやすくなります。
- ECサイトと連動させれば、購入前の比較体験を提供できます。
- SNS投稿キャンペーンと組み合わせれば、ユーザー参加型のプロモーションにもなります。
導入時に考えるべき課題
一方で、アパレルARには課題もあります。
服のサイズ感、体型へのフィット、布の質感、動いた時の見え方などは、簡単に再現できるものではありません。
そのため、初期段階では「完璧な試着再現」を目指すのではなく、着用イメージをつかむ販促ツールとして位置づける方が現実的です。
スモールスタートでの提案
最初は、全商品に対応するのではなく、キャンペーン商品や新作アイテム、展示会用の一部商品に絞って導入する方法が考えられます。
まずは、話題性と販促効果を検証する。
その後、効果が見えた段階で、対象商品や機能を広げていく。
このようなスモールスタートが、限られた開発リソースの中では現実的だと考えました。
05. 結婚式場での活用
結婚式場活用
ドレス試着にかかる時間を減らし、カタログ段階でイメージしやすくする
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
結婚式場向けの提案
結婚式場やドレスショップでは、ドレス選びに時間がかかります。
花嫁にとってドレス選びは大切な体験ですが、候補が多いほど試着の時間や負担も大きくなります。
また、カタログで見た印象と、実際に着た印象が異なることもあります。
そこで、カタログ段階でARを使い、ドレスを着たイメージを事前に確認できる仕組みを提案しました。
ユーザー側のメリット
- 試着前に候補を絞り込みやすい
- カタログ上で着用イメージを確認できる
- 家族や友人と相談しながら検討できる
- 試着時間の負担を減らせる
- 式場訪問前の期待感を高められる
式場側のメリット
結婚式場やドレスショップにとっては、AR試着を導入することで、接客前の検討をスムーズにできます。
来店前に候補を絞ってもらえれば、当日の試着時間を効率化できます。
また、カタログやパンフレットにARを組み合わせることで、資料請求後の印象を高めることもできます。
ブライダルフェアでの体験コンテンツとしても活用しやすいと考えられます。
カタログ段階での価値
結婚式場の資料やドレスカタログは、写真の美しさが重要です。
しかし、写真を見るだけでは「自分に似合うか」「会場の雰囲気に合うか」は判断しにくい部分があります。
ARでドレスイメージを重ねることができれば、検討段階の不安を減らせます。
また、カタログを見ながら家族と相談する時間も、より具体的なものになります。
導入時の注意点
ドレスは、サイズ、シルエット、素材感、光沢、ボリューム感が重要です。
ARで完全に再現することは難しいため、あくまで「候補選びの参考」として位置づけることが現実的です。
最終的な決定は試着で行い、その前段階の検討を支援するツールとして提案するのが良いと考えました。
06. まとめ
まとめ
ARアプリは、機能ではなく業界別の活用シーンで売り方が変わる
今回の取り組みでは、AR試着アプリをどのように法人向け商材として売り出すかを考えました。
アパレルの試着アプリは、競合も多く、機能だけで差別化するのは難しい状況でした。
さらに、社内の開発リソースにも制約があり、最初から大規模な機能追加を行うことは現実的ではありませんでした。
そこで、私はUIデザインと販促資料を通じて、ARアプリの活用シーンを業界別に整理しました。
この企画で得た学び
- AR技術は、機能説明だけでは導入価値が伝わりにくい
- 業界ごとに利用シーンを変えることで、営業資料として伝わりやすくなる
- 年賀状では、近況報告や家族コミュニケーションの価値を高められる
- アパレルでは、試着前のイメージ確認や販促イベントに活用できる
- 結婚式場では、ドレス試着前の候補選びやカタログ体験を支援できる
- 開発リソースが限られていても、見せ方や提案設計で商材価値を高められる
- クライアント側のメリットとエンドユーザー側のメリットを両方示すことが重要
今後の展開として考えられること
ARアプリを売れる商材にするには、業界別の資料をさらに増やしていくことが有効だと考えます。
たとえば、観光、教育、イベント、住宅、家具、化粧品、スポーツ用品など、ARとの相性が良い領域は多くあります。
重要なのは、ARを「すごい技術」として売るのではなく、「この業界では、こう使うと便利です」と具体的に示すことです。
そのためには、UIデザインだけでなく、ビジネススキーム、導入メリット、営業資料、活用事例をセットで作る必要があります。
今回の年賀状・アパレル・結婚式場の資料は、そのスモールスタートとして位置づけられる取り組みでした。
司会パンダ



