INDEX of this page
|概要&問題提起
|ガイドブックにスマホをかざす
|観光客のお目当て
|観光スポットの楽しみ方
|機能カスタマイズ
|観光ARアプリでできること
|フォトフレーム活用
|スタンプラリーの再設計
|既存展示物のAR活用
|まとめ|
概要
企画概要
世界遺産・高野山の観光体験を、ARアプリでわかりやすく楽しく拡張する
この記事では、和歌山県・高野山を題材に、観光ARアプリで観光利便性と現地体験を高める企画を整理します。
高野山は、標高約800mの盆地に広がる宗教都市であり、世界遺産として国内外から多くの観光客が訪れる場所です。金剛峯寺、奥之院、根本大塔、宿坊、精進料理、写経、写仏、歴史上の人物ゆかりの墓所など、観光資源が非常に多い一方で、初めて訪れる観光客には「どこに何があるのか」「限られた時間で何を見ればよいのか」がわかりにくい面もあります。
そこで、ガイドブック、現地看板、ARマーカー、フォトフレーム、スタンプラリー、クーポン、プッシュ通知などを組み合わせ、観光客が迷わず楽しめるアプリ企画を考えました。
単なるナビアプリではなく、高野山ならではの歴史・文化・宗教体験・季節の美しさ・キャラクター企画をARで補足する観光支援アプリとして設計することが狙いです。
司会パンダ この記事で整理していること
- 高野山観光で想定される観光客のニーズ
- ガイドブックやチラシとARを連動させる企画
- 時間帯や季節によって見逃した観光体験の補足
- ARマーカーを活用した歴史キャラ・ゆるキャラ表示
- 時間別・ランダム表示によるリピート体験の設計
- ナビ、クーポン、フォトフレーム、プッシュ通知などの基本機能
- エリア限定キャラや限定フレームによる観光地の付加価値づくり
- 朱印と別アイテムを組み合わせたスタンプラリー企画
- 屏風・枯山水・炊事場など既存展示物のAR活用
この企画で大切にした視点
この企画で大切にしたのは、ARを「目新しい演出」で終わらせないことです。
観光客が本当に困るのは、目的地の場所、所要時間、体験できる内容、イベントの開催時間、トイレや飲食店の場所などです。
一方で、高野山の魅力は、現地に行って初めて感じられる空気感や歴史性、宗教文化、季節の風景にもあります。
そのため、ARアプリでは、観光客の不便を解消しながら、現地ならではの感動や学びを補足する設計が必要だと考えました。
例えば、ガイドブックにスマホをかざすと動画ガイドが出る。見逃したライトアップや季節の風景をフォトギャラリーで見られる。現地のARマーカーから歴史キャラが現れ、場所の由来を説明する。特定エリアでしか撮れないフォトフレームやキャラクターを用意する。
このような仕掛けによって、観光客が「また来たい」と感じる体験を作ることが目的です。
01. 概要&問題提起 ― 和歌山県・高野山でリピート客増を目指す
観光課題
世界遺産・高野山の観光利便性を高めるARアプリ企画
観光系ARアプリの企画書は、これまで国内のご当地自治体向けに複数作成してきました。
今回の題材は、和歌山県の高野山です。
高野山は、広大な敷地に数多くの寺院や観光スポットが点在しています。世界遺産に登録されて以降、国内旅行者だけでなく、欧米を中心とした海外観光客も増えている印象があります。
しかし、観光資源が豊富であるほど、初めて訪れる人にとっては情報が多すぎて迷いやすくなります。
「どこに行けばよいのか」「何を見ればよいのか」「今から回れるルートはどれか」「体験できる催しはあるのか」など、現地で判断しなければならないことが多くなります。
そこで、観光ARアプリによって、高野山観光の利便性を高める企画を考えました。
観光におけるニーズとは?
高野山を訪れる観光客には、さまざまなニーズがあると考えられます。
観光地としての基本情報だけでなく、体験、飲食、イベント、移動、トイレ、クーポンなど、観光中に必要となる情報は多岐にわたります。
【観光系】
- 「金剛峯寺ってどこにあるの?入館料はかかるの?有料で何が見られるの?」
- 「坐禅はどこでできるの?」
- 「写経、写仏などはどこで体験できるの?」
- 「武田信玄や織田信長のお墓ってどこにあるの?」
- 「あと3時間しかないけど、どことどこまで観光できると思う?」
- 「トイレはどこにあるの?」
- 「えー?14時に“こうやくん”が来ていたの?もっと前に来れば写真を撮れたのに」
【店舗系】
- 「精進料理を食べられる店はどこにあるの?」
- 「ミシュランガイドに載っている店はどこにあるの?」
- 「お土産、飲食店、観覧料、駐車場などの割引クーポンはないの?」
ARアプリで解決できそうなこと
これらのニーズは、紙のガイドブックだけでは解決しきれない場合があります。
紙面には情報量の限界がありますし、現地のイベントや混雑状況、時間別の催しなどは、リアルタイムに変化します。
そこで、ARアプリを活用することで、次のような解決が考えられます。
- 目的地までの方向や距離を表示する
- 観光スポットの解説動画を表示する
- 時間帯に応じたイベント情報を通知する
- フォトフレームで記念撮影を楽しくする
- エリア限定のキャラクターやクーポンを出現させる
- 見逃した季節風景やライトアップを動画で補足する
- スタンプラリーや朱印めぐりをアプリで支援する
上記から一部をピックアップし、次章以降で具体的な企画案を提示します。
02. ガイドブックにスマホをかざす
マーカーレス型ARで、紙のガイドブックから動画ガイドへ誘導する
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
ガイドブックやチラシにスマホをかざすことで、動画ガイドやWEBページを表示させる企画です。
これは、画像そのものを認識する「マーカーレス型AR」の使用例となります。
観光客は、紙のガイドブックを見ながら、気になるスポットにスマホをかざします。すると、文章だけでは伝わりにくい歴史解説、建物の内部説明、アクセス方法、動画ガイド、周辺のおすすめ情報などが表示されます。
紙媒体とARを組み合わせるメリット
紙のガイドブックは、一覧性や携帯性に優れています。
一方で、紙面だけでは動画や音声、最新情報を伝えることができません。
ARを組み合わせれば、紙面の見やすさを残しながら、スマホ側で動画や追加情報を補足できます。
- 紙面のスポット写真から動画ガイドへ誘導できる
- 観光客が気になった場所だけ追加情報を見られる
- 紙面に入りきらない情報をWEB側で補足できる
- 多言語表示や音声ガイドにも展開できる
- ガイドブックを捨てずに保存したくなる体験を作れる
BtoC向けARの注意点
BtoC向けARアプリの難点は、観光客がARの使い方を理解しているとは限らないことです。
「チラシをかざしたら動画が出てくる」というルールを、初めて使う人にもわかるように伝える必要があります。
マーカーレス型ARは、チラシのデザインを美しく保てるメリットがあります。
しかし、観光客にとっては「どこを読み取ればよいのか」がわかりにくい場合もあります。
そのため、場合によってはARマーカー型の方が、「この部分をスマホで覗いてください」というルールを理解しやすいと思います。
導入時に工夫したいこと
- 紙面に「スマホをかざす」アイコンを入れる
- 初回起動時に使い方を短く説明する
- AR対応スポットを一覧で表示する
- マーカー型とマーカーレス型を使い分ける
- 多言語観光客にも伝わるアイコン設計にする
司会パンダ 03. 観光客のお目当て
見逃した観光体験を、フォトギャラリーや動画で補足する
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
観光客の中には、時間帯や季節によって、見たいものを見られずに帰る人もいます。
それが旅の一期一会であり、醍醐味でもあります。
しかし、遠方から来た観光客や海外から来た観光客にとっては、「見逃した」「知らなかった」「時間が合わなかった」という体験は、少し残念な思い出になる可能性もあります。
そこで、フォトギャラリーや動画で、見逃した観光体験を補足する企画を考えました。
見逃しやすい観光体験
- 根本大塔のライトアップを見られずに帰る人
- 夏の常緑、冬景色、紅葉など、訪問時期によって見られない季節風景
- 僧侶の勤行、お経やお参りの様子
- 鐘楼や法要など、時間が合わなければ見られない催し
- 野生の動物や自然の風景
- 催事、イベント、限定行事
動画・写真で補足する価値
見逃したものを動画や写真で補足できれば、観光客の満足度を少し高められます。
例えば、春に訪れた人が秋の紅葉を動画で見て「次は秋に来たい」と思うかもしれません。
昼に訪れた人が、夜のライトアップ動画を見て「次は宿坊に泊まって夜も楽しみたい」と感じるかもしれません。
つまり、見逃し補足は、単なる情報提供ではなく、次回訪問への動機づけにもなります。
リピートにつなげる設計
高野山は一度で全てを見切ることが難しい観光地です。
だからこそ、アプリ内で季節ごとのおすすめ、時間帯ごとの見どころ、限定イベント情報を見せることで、再訪問のきっかけを作れます。
- 「秋に見たい高野山」フォトギャラリー
- 「朝の勤行」紹介動画
- 「夜のライトアップ」動画
- 「宿坊に泊まると体験できること」特集
- 「次回訪問おすすめルート」表示
04. 観光スポットの楽しみ方 ― ARマーカーを利用する
展示場・建造物にARマーカーを設置し、歴史キャラやご当地キャラを表示する
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
展示場や建造物は、歴史や文化を知る上で人気のスポットです。
ただし、歴史的な展示は、説明文だけだと難しく感じる人もいます。特に子供や外国人観光客にとっては、背景知識がないと魅力が伝わりにくい場合があります。
そこで、ARマーカーを使って、歴史上の人物、ゆかりのある人物、ご当地キャラクター、ゆるキャラなどを表示し、現地解説を楽しくする企画を考えました。
エンターテイメントと学習効果を両立する
ARマーカーを利用すれば、観光スポットに立て看板を増やしすぎなくても、スマホ画面上で解説やキャラクター表示ができます。
- 歴史キャラが出現して、場所の由来を説明する。
- ゆるキャラが観光ポイントを案内する。
- ゆかりの人物が、当時のエピソードを語る。
このような演出によって、観光客は歴史や文化を楽しみながら学べます。
写真撮影の楽しさも加える
場合によっては、撮影不可の場所もあるかもしれません。
しかし観光客にとって、写真撮影は旅の楽しみの一つです。
ARを使えば、撮影可能な場所に限定して、歴史キャラやご当地キャラと一緒に写真を撮る体験を提供できます。
観光客にとっては思い出になりますし、SNSで共有されれば観光地のPRにもつながります。
導入時の活用例
- 史跡の前で歴史上の人物が解説する
- ご当地キャラと記念撮影できる
- 撮影不可エリアの代替として、専用フォトスポットを用意する
- 多言語音声ガイドと連携する
- 子供向けにクイズ形式で歴史を学べるようにする
HYPER-ARのような仕組みを使えば、歴史キャラやゆるキャラなどの画像を表示すること自体は比較的シンプルに実現できる可能性があります。
05. 機能カスタマイズ
時間別・ランダム表示で、ユーザーを飽きさせない体験を作る
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
ARマーカー型にすると、時間別表示、ランダム表示、日付別表示などが可能になります。
これにより、観光客が一度体験して終わりではなく、訪れる時間帯や季節によって違う体験を楽しめるようになります。
時間帯ごとの出現キャラ例
- 午前 …… ゆるキャラ「こうやくん」
- 午後 …… 乙女キャラ
- 夕方 …… ライトアップ案内キャラ
- 特定日 …… イベント限定キャラ
- 季節限定 …… 紅葉・雪景色・桜などの季節演出
リピーターに新鮮な体験を提供する
観光アプリは、一度使って終わりになりやすい課題があります。
しかし、時間帯や季節ごとに表示内容が変われば、再訪時にも新しい体験ができます。
- 「前回はこうやくんだったけど、今回は別のキャラクターが出た」
- 「冬に来たら雪景色バージョンが見られた」
- 「イベント当日限定のフレームが出た」
このような小さな変化が、リピート訪問やSNS投稿のきっかけになります。
導入時の注意点
一方で、ランダム表示や時間別表示は、運用が複雑になりやすい機能でもあります。
表示内容の管理、イベント情報の更新、キャラクター権利、誤表示防止などを考える必要があります。
そのため、最初は限定スポットだけで小さく試し、反応を見ながら拡張するのが現実的です。
06. 観光ARアプリで何ができるのか?
基本機能
ナビ・クーポン・フォトフレーム・通知まで一通り揃える
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
「観光ARアプリで何ができるのか?」と聞かれた場合、前章までに挙げた観光客のニーズを解決する機能が考えられます。
特に高野山のように、観光スポットが広範囲に点在し、体験内容も多い場所では、ナビ、通知、クーポン、フォトフレーム、ポイント機能などを組み合わせることで利便性が高まります。
基本機能
- カーナビのように、目的地へ向かう方向を表示する
- クーポン登録・表示機能を用意する
- フォトフレームでプリクラのように遊べる
- プッシュ通知でエリア内の人へ事前告知する
- 例:「こうやくんが14時に金剛峯寺に来ます」と通知する
- アプリ内アイテムと交換できるポイント機能を用意する
観光ルート支援
高野山では、観光客が滞在できる時間に限りがあります。
そのため、現在地、目的地、残り時間から、現実的に回れる観光ルートを提案できると便利です。
たとえば、「あと3時間なら、金剛峯寺、壇上伽藍、近くの精進料理店まで回れます」といった提案ができると、観光客は判断しやすくなります。
追加機能を考える
企画段階のため、技術観点から精査する必要がありますが、次のような拡張案があります。
- 現在地と目的地の距離から、徒歩での所要時間を計測する
- 残り時間に応じて観光ルートを提案する
- 徒歩・バスの選択ができる
- バス停の時刻表を表示する
- バス停までの所要時間と残り時間を表示する
- バス出発前にアラーム通知する
- 飲食店やトイレの場所を地図上に表示する
観光客にとっての価値
観光地で迷う時間が減ると、体験に使える時間が増えます。
また、イベント情報やキャラクター出現情報をプッシュ通知できれば、「知らなかった」「見逃した」という残念な体験を減らせます。
観光ARアプリは、現地体験を便利にするだけでなく、観光客の満足度を高める補助役になれます。
07. フォトフレームで観光を楽しく演出する
エリア限定の特典・キャラ・クーポンで付加価値を作る
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
観光ARアプリには、フォトフレーム機能を搭載することができます。
観光地に「こうやくん」が不在でも、アプリ上でこうやくんと一緒に写真撮影できるメリットがあります。
カスタマイズ案①
「こうやくん」の回転、移動、出現位置の調整、入れ替えなどを可能にします。
観光客が自分の立ち位置や背景に合わせて、キャラクターの位置を調整できれば、写真撮影の満足度が高まります。
単にキャラクターが表示されるだけではなく、自分で構図を作れるようにすることで、SNS投稿もしやすくなります。
エリア限定の魅力
エリア内に存在する端末を認識するフローにすれば、エリア限定の特典サービスが企画できます。
そのエリアでしか出現しないレアキャラ、夢のコラボ、限定フレームなどを用意すれば、人気の少ない観光地に対しても付加価値を与えることができます。
同じ発想で、エリア限定クーポンの出現も考えられます。
フォトフレームの活用例
- 金剛峯寺限定フレーム
- 奥之院限定キャラクター
- 季節限定の紅葉・雪景色フレーム
- 宿坊宿泊者限定フレーム
- 精進料理店と連動したクーポン付きフレーム
- イベント当日限定の記念フレーム
観光PRとしての価値
フォトフレームは、観光客にとっては思い出づくりになります。
一方で、観光地側にとっては、SNS投稿による自然なPRにもつながります。
観光客が「高野山に行ってきた」と投稿したくなる仕組みを作ることで、広告ではない形で観光地の魅力が広がります。
08. ありきたりのスタンプラリーを脱却する
朱印×別アイテムで、大人も子供も楽しめる仕掛けを作る
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
現在では、全国各地の観光地で、宝探しやスタンプラリーの企画は珍しくありません。
ARを使用した観光集客イベントも、日本各地で見かけるようになりました。
そのため、単に「スタンプを集めよう」という企画だけでは、目新しさが弱くなります。
- 「スタンプラリーって、どこにでもあるよね」
- 「子供向けの企画でしょ」
そう思われてしまう可能性もあります。
朱印に別アイテムを掛け合わせる
一方で、大人も集めるものとして「朱印」があります。
高野山のような宗教性や歴史性のある観光地では、朱印めぐりとの相性も高いと考えられます。
ただし、朱印ギャラリーだけでは、子供には楽しさが伝わりにくいかもしれません。
そこで、朱印を集める過程に、別アイテムやキャラクターを登場させる企画を考えます。
大人と子供の両方が楽しめる設計
- 大人は朱印を集める
- 子供はキャラクターやアイテムを集める
- 親子で同じルートを回れる
- スポットごとに歴史クイズを出す
- コンプリート時に記念画像や限定フレームを表示する
特典設計の注意点
スタンプラリーや朱印連動企画では、特典設計に注意が必要です。
有償特典や景品性のある企画は、法的な確認が必要になる場合があります。
そのため、初期案としては、デジタル記念画像、限定フォトフレーム、称号、観光ルート達成証など、運用しやすいデジタル特典から始めるのが現実的です。
回遊促進としての価値
スタンプラリーは、観光客を複数スポットへ誘導する効果があります。
人気スポットだけに集中するのではなく、比較的知られていないスポットへも足を運んでもらうきっかけになります。
高野山全体の回遊性を高める上で、ARスタンプラリーや朱印連動企画は有効な施策になると考えました。
09. 既存展示物を如何に面白く活用するか?
展示活用
屏風・枯山水・炊事場をARで動かし、学習教材化する
独創性:
| 自信度:
| 実現しやすさ:
高野山には、歴史的建造物や展示物が数多くあります。
ただ、それらの価値をすべての観光客が深く理解できるとは限りません。
説明文だけでは、子供や外国人観光客に伝わりにくい部分もあります。
そこで、既存展示物をARで動かしたり、制作工程をアニメ化したりすることで、観覧の楽しさと学習効果を高める企画を考えました。
屏風をARで動かす発想
一休さんの逸話に、虎の屏風に向かって「出てこい虎」と言うお話があります。
このようなイメージで、屏風に描かれた鶴が飛び出す、雪が降り出す、絵の中の風景が動き出すなど、AR演出を加えることができます。
もし、その屏風に描かれた逸話や制作背景があるなら、絵が完成する工程をアニメ化することも考えられます。
日本文化の学習材料へ
金剛峯寺には、枯山水、昔の炊事場、倉庫などの展示もあります。
枯山水を制作する工程が動画で見られると、子供や外国人観光客にとって、日本の美意識を学ぶ材料になります。
炊事場では、昔の人がかまどで火を焚いて炊事をしているシーンをARで再現できれば、現代の家電製品に慣れた人にとって貴重な学習体験になります。
ARで補足できる展示体験
- 屏風の絵が動き出す演出
- 歴史上の人物による解説
- 枯山水の作り方アニメーション
- 昔の炊事場の再現映像
- 倉庫や道具の使い方解説
- 多言語音声ガイド
- 子供向けクイズ形式の展示解説
展示物を“見る”から“理解する”へ
ARの価値は、展示物を派手に見せることだけではありません。
本来の価値は、観光客が展示物を理解しやすくなることです。
なぜこの場所が重要なのか。
何に使われていたのか。
どのような歴史があるのか。
現代の暮らしと何が違うのか。
こうした情報を、映像やキャラクター、アニメーションで補足することで、展示物への理解を深めることができます。
10. まとめ
高野山ならではの体験をARで拡張し、リピート客につなげる
本企画では、世界遺産・高野山を題材に、観光客のニーズに基づいたARアプリのアイデアを整理しました。
高野山は、歴史、宗教文化、自然、宿坊、精進料理、写経、写仏、朱印、季節の風景など、非常に多くの魅力を持つ観光地です。
一方で、初めて訪れる人にとっては、情報量が多く、敷地も広いため、短時間で効率よく観光するのが難しい場所でもあります。
そこで、ARアプリを使い、紙媒体と現地体験を橋渡しする企画を考えました。
この企画で得た学び
- 観光ARは、単なる演出ではなく、観光客の不便を解決する手段になる
- 紙のガイドブックとARを連動させると、動画や多言語情報を補足できる
- 見逃した季節風景やイベントを動画で補足すると、再訪問の動機になる
- ARマーカーを使えば、歴史キャラやご当地キャラによる学習体験が作れる
- 時間別・季節別・ランダム表示は、リピーター向けの新鮮な体験になる
- フォトフレームや限定キャラは、SNS投稿や観光PRと相性が良い
- 朱印とデジタルアイテムを組み合わせると、大人も子供も楽しめる回遊施策になる
- 既存展示物は、ARで動かすことで学習教材としての価値を高められる
今後の展開として考えられること
まずは、すべての観光スポットにARを導入するのではなく、主要スポットに絞って小さく始めるのが現実的です。
たとえば、ガイドブック連動、こうやくんフォトフレーム、金剛峯寺周辺のAR解説、限定スタンプラリーなど、観光客が体験しやすい機能から始めます。
その後、利用状況や観光客の反応を見ながら、動画ガイド、多言語対応、朱印連動、展示物AR、エリア限定クーポンへ広げていく流れが考えられます。
高野山のように、歴史性と観光性が両立している場所では、ARは「便利な道案内」だけでなく、「また訪れたくなる物語づくり」にも活用できます。
リピート客を増やすには、その場でしか体験できない仕掛けと、次に来たくなる理由が必要です。
この企画は、高野山ならではの深い歴史と観光体験を、ARでわかりやすく、楽しく、記憶に残る形へ拡張する提案です。
司会パンダ














