前談
ビジネスコンテストやアイデアコンテストに参加していると、審査員から「実現性」について質問される場面があります。
私自身、これまで複数のコンテストに挑戦してきました。
受賞できた経験もあれば、最終選考まで進みながら結果につながらなかった経験もあります。
その中で何度も感じてきたのは、企画の面白さだけでは勝ち切れないということです。
特にビジネスコンテストでは、課題設定、ストーリー、情熱に加えて、「本当に実現できるのか」をどう示すかが重要になります。
この記事では、審査員からのコメントに対して感じたこと、実現性を問われたときの受け止め方、そして次に挑戦するならどう準備すべきかを整理します。
司会パンダ 01. 起案時に意識していること
審査員から、「起案時に意識していることはありますか?」と聞かれたことがあります。
そのとき私は、自分の課題選定について、弱者を助けること、地域課題、社会課題をテーマにしていると答えました。
映画でも、起承転結がないストーリーは印象に残りにくいものです。
プレゼンも同じで、ただアイデアを並べるだけではなく、課題、背景、解決策、未来像がつながっていることが大切だと考えています。
司会パンダ 企画力だけでは勝ち切れない
昔は、コンテストに応募すれば、最終選考には残れるという自信がありました。
ただし、それはあくまで企画力という点での自信です。
会社員として、組織や事業の中で企画を通すのであれば、勝率を上げる自信はありました。
しかし、ビジネスコンテストや個人の挑戦では、企画の選定だけでは通用しません。
なぜなら、そこには「実現性」という大きな評価軸があるからです。
司会パンダ 02. 審査員に不満を持ったことはあるか
もちろん、審査員も人です。プレゼンを聞いたうえで、心象や感想を持つのは当然だと思います。だからこそ、厳しいコメントが出ること自体は自然なことです。
ただ、ビジネスコンテストや助成金の審査では、審査員や出資者、経営コンサルタントから「実現性」に関する否定的なコメントを受けることがあります。
審査員もコメントが難しい立場にいる
発表者としては、準備を含めて全力で挑戦しています。そのため、代案や改善案がないまま否定的なコメントだけを受けると、後味の悪さが残ることもあります。
過去には、私ではありませんが、同じ出場者だった大手広告代理店の応募者が、審査員のコメントに怒って退席した場面に遭遇したこともあります。
審査員が発表者と対等な目線で向き合えていない場合、発表者のプライドを傷つけてしまうこともあるのかもしれません。
司会パンダ
司会パンダ 「もう一度、コメントをお願いします!」と審査員に聞きに行ったこともある
審査終了後に、もう一度お会いしてコメントをいただきたいとお願いしたこともあります。
その場では消化できなかった指摘も、時間を置いて聞き直すことで、自分に足りなかった視点が見えてくることがあります。
もちろん、生意気な姿勢に見えるかもしれません。ただ、せっかく挑戦したからには、厳しいコメントも次につながる学びに変えたいという気持ちがありました。
03. 企画を否定するときに必要なこと
新社会人の頃、上司から教わった言葉があります。
「自分ならこう考える」という答えがない場合は、他人の企画を否定してはいけない。
この言葉は、今でも自分の中に残っています。
批評には、自分なりの答えが必要
他人の案を聞くとき、自分の感想や意見がないのであれば、安易に批評すべきではないと思っています。
一方で、意見があるなら、嫌われることを恐れずに伝えるべきだとも思います。ただし、その場合は、単なる否定ではなく「自分ならどう考えるか」まで含めて伝えることが大切です。
これは、後輩や部下、生徒を指導するときにも共通するテーマかもしれません。
司会パンダ 大切なのは、どこに愛情があるか
厳しいコメントでも、相手の成長を願っている言葉であれば、後から意味がわかることがあります。
逆に、ただ否定するだけのコメントは、相手の行動を止めてしまう可能性があります。
企画に対する批評には、どこに愛情があるのかが表れると思います。
だからこそ、自分が誰かの案を聞く側になったときは、相手が次に進める言葉を返せる人でありたいと感じます。
04. 実現性を証明するにはどうすればよいか
過去に、人生を賭けた勝負だと思って挑んだ大きなコンテストで、結果につながらなかった経験が3回あります。
そのいずれも、実現性を指摘されました。
この経験から、「実現できますか?」という質問に対する回答は、事前に準備しておくべきだと感じるようになりました。
審査員の立場になって考える
審査員の立場で考えると、「実現できますか?」という質問は、単に気持ちを確認しているわけではありません。
その裏には、次のような意味が含まれていると思います。
- 実際にユーザーはどう反応するのか
- 検証やシミュレーションは行っているのか
- 実行できるチームや環境はあるのか
- 受賞後に本当に動き出せるのか
つまり、実現性とは「気合い」だけではなく、検証結果、行動実績、チーム体制、スケジュールなどを含めて示すものだと感じます。
司会パンダ 覚悟や情熱も、実現性として伝わる
あるコンテストで、優勝者の方が印象的な言葉を話していました。
このコメントを聞いた審査員や観客は、その言葉に引き込まれていたように感じました。
もちろん、情熱だけで実現性が証明できるわけではありません。ただ、覚悟や行動力は、審査員にとって大きな判断材料になります。
「本当にやる人なのか」
「受賞後に動ける人なのか」
「周囲を巻き込める人なのか」
こうした姿勢も、実現性の一部として見られているのだと思います。
05. 次に挑戦するなら準備しておきたいこと
もし次にコンテストへ挑戦するなら、企画の面白さだけでなく、実現性を伝える準備を最初から組み込んでおきたいです。
特に、以下のような要素は事前に整理しておくべきだと感じます。
- ユーザーに近い人へのヒアリング結果
- 簡単なプロトタイプや画面イメージ
- 利用シーンを想定したシミュレーション
- 実行スケジュールと必要な体制
- 受賞後に何をするかの具体的な行動計画
- 実現できない場合の代替案やスモールスタート案
実現性は、完璧な完成ではなく「動き出せる根拠」
コンテストの段階で、すべてを完成させる必要はないと思います。
ただし、「なぜ実現できると言えるのか」を示す根拠は必要です。たとえば、ユーザーの声、プロトタイプ、協力者、検証結果、初期費用の見積もり、運用イメージなどです。
小さくても、すでに動いている証拠があると、企画の説得力は大きく変わります。
司会パンダ 06. まとめ
コンテストでは、企画の面白さだけでなく、実現性をどう示すかが重要です。
私自身、審査員のコメントに悔しさを感じたこともあります。代案のない否定にモヤモヤしたこともあります。それでも振り返ると、実現性を問われた経験は、自分の企画をより現実に近づけるための大切な機会だったと思います。
「実現できますか?」という質問は、単なる批判ではなく、ユーザー検証、シミュレーション、体制、覚悟、行動力を問う言葉です。
次に挑戦するときは、課題設定やストーリーだけでなく、実現に向けた根拠を最初から準備しておきたいです。そして、自分が誰かの企画を聞く側になったときは、否定だけで終わらせず、相手が次に進める言葉を返せる人でありたいと思います。
司会パンダ



