概要
土佐和紙×幕末維新×コスプレで挑戦した、高知家学講座2017の共創ハッカソン
この記事では、「高知家学講座2017」に参加し、土佐和紙をテーマにした作品制作へ挑戦した記録を紹介します。
もともと私は、伝統工芸や地域文化に関心がありました。
その中で、高知県が主催する土佐和紙のイベントに参加し、富士通株式会社の方々やTechShop Tokyoの環境を活用しながら、チームでハッカソン形式の作品制作に取り組みました。
今回のテーマは、「土佐和紙×幕末維新×コスプレ」です。
土佐和紙という伝統素材に、幕末維新や坂本龍馬の文脈を掛け合わせ、さらに現代的なコスプレや衣装表現として再解釈することで、伝統工芸を若い世代にも届く体験にできないかと考えました。
当日は私がプレゼンスピーチを担当しましたが、スライドが未完成のまま発表することになり、結果として受賞を逃しました。
発表順の共有を把握できず突然1番手になったこと、質疑応答で想定外の展開があったこと、受賞作品には発表演出面の加点があったように感じたことなど、悔いの残る結果でした。
ただし、敗因を他責にするのではなく、最終的には「自分のプレゼン準備不足が原因だった」と受け止めています。
そのため、大会後にあらためてプレゼンスライドを作り直し、企画の背景、チームの発想、ラフ案、制作過程、完成写真、展示までを整理しました。
司会パンダ この記事で整理していること
- 高知家学講座2017への参加背景
- 土佐和紙や幕末維新を学んだ講座内容
- チームで考えた「今昔の服」という企画コンセプト
- 完成イメージを共有するために作成したラフ案
- TechShopを活用した制作過程
- 土佐和紙を使った完成作品
- おまけ作品として制作した派生アイデア
- 高知空港での期間限定展示
- 受賞を逃した悔しさと、プレゼン再作成から得た学び
関連リンク
00.スライド紹介
01. 高知家学講座2017への参加
参加背景
伝統工芸に関心のある私が、土佐和紙のイベントに初参戦
高知家学講座2017
主催:高知県
共催:富士通株式会社
協賛:TechShop Tokyo
今回参加したのは、高知県が主催する「高知家学講座2017」です。
テーマとなったのは、土佐和紙をはじめとする高知の地域資源や文化です。
私は以前から伝統工芸に関心があり、職人技や地域文化をどう現代のサービスや体験に接続できるかを考えていました。
そのため、土佐和紙をテーマにしたハッカソン形式のイベントは、自分にとって非常に興味深い挑戦でした。
富士通の方々との共創
このイベントでは、富士通の有能で遊び心のある方々とご一緒する機会がありました。
ハッカソンの魅力は、自分ひとりでは出せない発想が、チームの対話から生まれることです。
今回も、私だけでは思いつかなかった視点や感性がチーム内から出てきました。
土佐和紙という伝統素材に、幕末維新、衣装、コスプレ、展示性を組み合わせていく過程は、まさに共創の面白さを感じる時間でした。
TechShop Tokyoという制作環境
協賛にはTechShop Tokyoも関わっており、制作環境として非常に刺激的でした。
レーザーカッターやデジタル加工機器が使える場では、アイデアをその場で形にしながら検証できます。
伝統素材である土佐和紙と、デジタルファブリケーションの環境が組み合わさることで、単なる紙作品ではなく、現代的な表現へ広げられる可能性を感じました。
司会パンダ 02. 大会後にプレゼンスライドを再作成した理由
振り返り
作品には自信があったからこそ、プレゼン準備不足の悔しさが残った
大会当日の発表で感じた悔しさ
大会当日、私はチームを代表してプレゼンスピーチを担当しました。
しかし、プレゼンスライドは未完成のまま発表することになりました。
多くの時間と経費をかけて挑戦した作品であり、チームとしても自信のある共創作品でした。
それだけに、受賞を逃した結果には強い悔しさが残りました。
当日に起きた想定外のこと
大会当日は、いくつか想定外のことがありました。
- プレゼン順番の情報共有を把握できず、突然の発表1番手に対応しきれなかった
- 審査員からの質疑タイムで、審査基準について逆質問される不遇な場面があった
- 受賞作品には「着用して発表」「高知弁で発表」など、審査基準とは別の演出面が評価されたように感じた
もちろん、これらは外部要因として感じた部分です。
ただし、最終的な敗因は、自分のプレゼン準備不足だったと受け止めています。
作品の独創性やクオリティに自信があったからこそ、それを伝えきれなかったことが悔しかったです。
事後にスライドを作り直した理由
そこで、大会後にはなりますが、プレゼンスライドを改めて作成しました。
目的は、単なる言い訳ではありません。
作品のコンセプトや制作過程を整理し、どこに魅力があったのか、どこで伝えきれなかったのかを振り返るためです。
また、自分のポートフォリオとしても、企画力、ディレクション力、共創のプロセスをきちんと残したいと考えました。
司会パンダ 03. STEP1:土佐和紙と幕末維新を学ぶ
STEP1
土佐和紙や龍馬の手紙を学び、素材と歴史の背景を理解する
最初のステップでは、土佐和紙や幕末維新に関する講座を通じて、素材と歴史の背景を学びました。
土佐和紙は、高知県を代表する伝統素材のひとつです。
薄くて丈夫でありながら、独特の風合いや温かみがあります。
また、高知といえば坂本龍馬をはじめとした幕末維新の歴史も重要な地域資源です。
今回の企画では、土佐和紙という素材だけでなく、幕末維新や龍馬の手紙という歴史的な文脈も組み合わせて考える必要がありました。
素材を知ることから企画が始まる
伝統素材を使った作品づくりでは、素材の特徴を理解することが重要です。
土佐和紙は、紙でありながら単なる平面素材ではありません。
光の透け方、質感、手触り、強度、折り曲げたときの印象など、扱い方によって見え方が変わります。
そのため、企画を考える前に、まず素材そのものを知ることが大切でした。
歴史を現代の体験へ変える
幕末維新や龍馬の手紙は、そのまま展示するだけでも歴史的価値があります。
しかし、ハッカソンで求められるのは、そこから新しい体験や作品へ変換することです。
私たちは、歴史をただ説明するのではなく、土佐和紙を使って「着る」「見る」「撮る」「語る」といった体験にできないかを考えていきました。
04. STEP2:企画コンセプト
審査基準を意識しながら、チームで「今昔の服」という方向性へ
運営側から提示された5つの審査基準を意識しながら、チームで企画を検討しました。
ハッカソンでは、ただ面白いアイデアを出すだけではなく、審査基準に沿って作品を組み立てる必要があります。
そのため、独創性、実現性、地域性、素材活用、発表時の伝わり方など、複数の視点からコンセプトを整理しました。
女性Oさんの提案「今昔の服」
チーム作品となったのは、女性Oさんが提案した「今昔の服」というアイデアでした。
この提案は、チーム全員が納得するものでした。
過去と現在、伝統と現代、土佐和紙とコスプレ、幕末維新とファッション。
それらをつなぐ言葉として、「今昔の服」はとてもわかりやすく、魅力的でした。
私自身には出せない感性であり、これこそがハッカソンの魅力だと感じました。
共創で生まれる、自分にない発想
ひとりで企画を考えていると、自分の得意な方向に偏りがちです。
しかし、チームで話すことで、自分にはない視点が入ります。
今回の「今昔の服」というアイデアは、まさにチームの対話から生まれた価値でした。
私の役割は、その魅力をどう形にし、どう伝わる作品へディレクションするかに移っていきました。
司会パンダ 05. STEP3:ラフ案の作成
STEP3
チーム全員で完成イメージを共有するため、ラフ案で方向性を可視化する
企画の方向性が見えてきた段階で、私のディレクション能力が発揮される場面になりました。
チーム制作では、全員が頭の中で同じ完成イメージを持っているとは限りません。
言葉だけで説明しても、人によって想像する形が変わります。
そのため、完成イメージを共有するためにラフ案を作成しました。
ラフ案で整理したこと
ラフ案では、以下のような要素を整理しました。
- 土佐和紙をどこに使うのか
- 幕末維新らしさをどのように表現するのか
- 衣装として成立する見た目にするにはどうするか
- コスプレとして写真映えするか
- 展示したときに伝統素材としての魅力が伝わるか
- 制作時間内に実現できる構造か
ディレクションにおけるラフ案の役割
ラフ案は、単なる絵ではありません。
チームの認識を合わせるためのコミュニケーションツールです。
完成形が見えれば、制作担当、素材担当、発表担当がそれぞれ動きやすくなります。
また、時間の限られたハッカソンでは、早い段階で完成イメージを共有することが重要です。
司会パンダ 06. STEP4:製作過程
STEP4
土佐和紙を衣装表現へ落とし込む、試行錯誤の制作プロセス
ラフ案をもとに、実際の制作に入りました。
土佐和紙を使った衣装表現は、単に紙を貼るだけでは成立しません。
素材の強度、透け感、折り目、動いたときの見え方、着用時の安全性、撮影時の見栄えなどを考える必要があります。
制作で意識したこと
制作では、土佐和紙の魅力を活かしながら、衣装としての見え方も成立させることを意識しました。
伝統素材を扱う場合、素材を目立たせるだけではなく、作品全体として美しく見せる必要があります。
また、コスプレ要素を入れる以上、着用したときのインパクトや写真映えも重要です。
ハッカソンならではの難しさ
ハッカソンでは、限られた時間の中で企画、制作、発表まで行う必要があります。
完璧なものを作る時間はありません。
そのため、何を優先し、何を捨てるかを判断しながら進める必要があります。
今回も、完成度を高めたい気持ちと、時間内に形にする現実の間で、チームとして判断を重ねました。
07. STEP5:完成写真
土佐和紙の質感と衣装表現を組み合わせた、共創作品の完成
完成した作品は、土佐和紙の持つ質感と、幕末維新・コスプレの世界観を組み合わせたものになりました。
伝統工芸素材である土佐和紙を、現代的なファッション・衣装・体験として見せることができた点に、チーム作品としての価値があったと感じています。
完成作品で伝えたかったこと
この作品で伝えたかったのは、土佐和紙は古い素材ではなく、現代の表現にも使える素材だということです。
和紙と聞くと、書道、障子、便箋、工芸品などをイメージする人が多いかもしれません。
しかし、使い方を変えれば、衣装、撮影、イベント、展示、観光体験にも展開できます。
伝統素材を体験に変える
伝統工芸を広げるには、素材や技術を説明するだけではなく、体験として見せることが重要です。
- 着てみたい。
- 写真を撮りたい。
- 展示で見たい。
- SNSで共有したい。
そう思ってもらえる作品にすることで、伝統素材への関心を広げられると考えました。
司会パンダ 08. STEP6:おまけ作品
制作の中で生まれた派生アイデアや追加作品
本制作のほかにも、おまけ作品としていくつかの派生アイデアが生まれました。
ハッカソンでは、メイン作品だけでなく、制作の途中で出てくる副産物や試作品にも価値があります。
それらは、次の企画の種になることがあります。
派生作品が生まれる意味
制作中に出てくるおまけ作品は、単なる余りものではありません。
素材の扱い方を試したり、別の見せ方を検討したり、次の展開を考えたりするための大切な実験です。
今回も、土佐和紙をどう見せれば面白いか、どのような演出に使えるかを探る中で、複数のアイデアが生まれました。
次の企画につながる種
おまけ作品の中には、単独で発展できそうなものもあります。
たとえば、展示用小物、撮影用アイテム、観光向け体験キット、ワークショップ教材などです。
ハッカソンの成果物は、当日の完成品だけではありません。
制作の過程で生まれたアイデアも、後日の展開につながる資産になります。
09. Final Step:高知空港での期間限定展示
展示実績
完成作品が高知空港に期間限定で公開展示された
完成作品は、高知空港に期間限定で公開展示されました。
受賞は逃しましたが、自分たちの作品が空港という公共性のある場所に展示されたことは、大きな成果だったと感じています。
空港は、高知県外から訪れる人や、県外へ向かう人が通る場所です。
そのような場所で、土佐和紙を使った作品を見てもらえることは、地域素材のPRとしても意味があります。
展示されることで価値が伝わる
作品は、制作して終わりではありません。
誰かに見てもらうことで、初めて伝わる価値があります。
特に伝統素材を使った作品は、実物の質感や大きさ、光の当たり方、展示空間の中での見え方が重要です。
高知空港での展示は、作品が多くの人の目に触れる機会になりました。
受賞とは別の成果
コンテストでは受賞できませんでした。
しかし、空港展示という形で作品が人に見られたことは、自分たちの挑戦が無駄ではなかった証拠だと思います。
受賞という結果だけでなく、作品が残り、展示され、人に届くことも大切な成果です。
司会パンダ 10. この挑戦で学んだこと
制作の学び
作品づくりだけでなく、伝え方まで含めて勝負は決まる
この挑戦で学んだ一番大きなことは、作品の独創性や完成度だけでは、コンテストで勝ちきれないということです。
どれだけ良い作品でも、審査員に伝わらなければ評価につながりません。
特にハッカソンでは、企画、制作、発表がセットです。
作品を作る力だけでなく、限られた時間で魅力を伝える力も必要です。
今回の反省点
- プレゼン準備が不十分なまま本番を迎えてしまった
- 発表順や進行情報への対応が甘かった
- 作品の強みを短時間で伝える構成が不足していた
- 審査基準に対して、どのように満たしているかを明確に示しきれなかった
- 演出や発表スタイルの重要性を十分に見積もれていなかった
一方で得られた成果
- 土佐和紙を現代的な衣装表現へ展開できた
- チームメンバーの感性から、自分にない発想を得られた
- ラフ案を通じて、共創のディレクションを実践できた
- 制作過程を通じて、伝統素材の可能性を体験できた
- 完成作品が高知空港で展示された
- 事後にスライドを再作成することで、企画を整理し直せた
プレゼンも作品の一部
コンテストでは、プレゼンも作品の一部です。
どの順番で伝えるか。
どの言葉で魅力を表すか。
審査基準にどう接続するか。
発表者の熱量をどう見せるか。
これらも含めて、作品の評価が決まります。
今回の悔しさは、次の挑戦に活かすべき大切な経験になりました。
11. まとめ
まとめ
土佐和紙を、伝統素材から現代の体験作品へ変える共創の挑戦
高知家学講座2017では、土佐和紙をテーマに、幕末維新やコスプレを掛け合わせた作品制作に挑戦しました。
富士通の方々やチームメンバーと一緒に取り組む中で、自分ひとりでは出せない発想に出会い、ハッカソンならではの共創の魅力を感じました。
女性Oさんが提案した「今昔の服」というコンセプトは、伝統と現代をつなぐわかりやすい言葉でした。
私は、そのアイデアを形にするために、ラフ案を作成し、チーム内で完成イメージを共有し、制作の方向性を整えました。
結果として受賞は逃しましたが、作品は高知空港で期間限定展示されました。
また、大会後にプレゼンスライドを再作成したことで、企画の価値や自分の反省点を整理することができました。
この企画で得た学び
- 伝統素材は、現代的な体験や衣装表現に展開できる
- ハッカソンでは、自分にない感性との出会いが大きな価値になる
- 共創では、ラフ案によるイメージ共有が重要
- 作品の完成度だけでなく、プレゼンの伝え方も評価に大きく影響する
- 受賞できなくても、展示や記録として残る成果がある
- 悔しい結果も、事後の整理によって次の学びに変えられる
土佐和紙は、単なる古い素材ではありません。
使い方や見せ方を変えれば、衣装、展示、写真、観光、教育、体験イベントへ広げられる素材です。
今回の挑戦は、伝統工芸を守るだけでなく、現代の文脈で楽しみ、伝え、広げるための実践でした。
司会パンダ















































