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他の記事にて「よさこい祭り×高知トマトのIoT体験設計|育む!高知トマト PRD」での企画・設計のご紹介をしました。
これに続き、当ページでは、MVP検証記事として再構成したものです。
短期間でどこまで体験を形にできたのか、制作中にどのような課題が見えたのか、次にどう改善できるのかを中心に整理します。
01. MVP検証の位置づけ
01-ⅰ. 検証対象
今回のMVPでは、「よさこい祭り」と「高知県産トマト」を掛け合わせた体験が、来場者に伝わる形で成立するかを検証しました。
完成品としてのサービスではなく、短期間のハッカソンで制作できる範囲に絞り、地方車の模型、トマト型LED、鳴子、パーカッション要素、発表シナリオを組み合わせて体験価値を確認しました。
01-ⅱ. MVPで重視したこと
- 鳴子を振る行為が、地方車上のトマト演出につながること
- トマトを触る・見る・鳴らす体験として記憶に残ること
- 高知の文化要素と高知トマトのPRが同じ作品内で伝わること
- 発表時に、企画意図と体験価値を短時間で説明できること
02. 検証したかったこと
02-ⅰ. 体験仮説
仮説:よさこいの鳴子や地方車と、高知トマトをIoTで連動させることで、特産品PRを「見る展示」から「参加して覚える体験」へ変えられる。
02-ⅱ. 検証ポイント
- 鳴子の動きと光の反応が、直感的に伝わるか
- トマト型の造形が、PR対象として認識されるか
- 土佐和紙や木材などの素材が、作品の地域性を補強できるか
- 展示物として見たときに、楽しさと説明性の両方が成立するか
03. MVP制作までの流れ
03-ⅰ. 制作プロセス
情報インプット
↓
チーム6名でアイデア出し
↓
地方車と鳴子の体験構成を決定
↓
設計図面を作成
↓
レーザーカッター用データを作成
↓
部品制作・印刷・塗装
↓
LED・基板・配線の調整
↓
鳴子とトマト演出を組み込み
↓
発表・参加者MVP受賞
↓
期間限定展示
04. 使用技術・素材・デバイス
04-ⅰ. 使用した技術・デバイス
- Arduino
- Raspberry Pi
- LED
- NFC
- センサーによる接触・反応の仕組み
- レーザーカッター
- UVプリンター
- 3Dプリンター
04-ⅱ. 使用した素材
- 土佐木材
- 土佐和紙
- 3Dプリンターで成形した小型トマトパーツ
- UVプリントした装飾パーツ
- 鳴子用の木材・配線・センサー部品
大きなトマトには土佐和紙を使い、LEDの光が柔らかく拡散するように調整しました。
小さなトマトは3Dプリンターで制作し、数量を揃えやすい構成にしました。
05. 実装・検証シナリオ
05-ⅰ. 鳴子連動シナリオ
踊り子が鳴子を持つ
↓
鳴子を振る、または接触が発生する
↓
センサー・配線が反応する
↓
地方車側のトマトLEDが点灯する
↓
踊りの動きが視覚演出として見える
よさこいの基本動作である「鳴子を鳴らす」行為を入力にし、トマトLEDを出力として見せることで、踊りとPRを結びつけました。
05-ⅱ. トマトパーカッションシナリオ
来場者または発表者がトマトに触れる
↓
静電気センサーが反応する
↓
音が鳴る
↓
トマトが楽器のように感じられる
↓
高知トマトへの印象が残る
トマトを「食べ物」だけでなく「反応するインターフェース」として扱うことで、来場者の参加感を高めることを狙いました。
06. 実装・検証で苦労したこと
06-ⅰ. 図面と実部品のずれ
地方車制作では、レーザーカッターで切り出すための図面を作成しましたが、実際に基板や配線を購入した後に寸法変更が必要になりました。
特に、基板の位置、配線の通し方、LEDのID割り振りは、設計段階の想定と実装段階の制約をすり合わせる必要がありました。

06-ⅱ. 光の見え方の調整
LEDが輝く球体はトマトデザインにしました。大トマトには和紙を、小トマトには3Dプリントパーツを使っています。
和紙は光を柔らかく見せられる一方で、照度や拡散具合を確認しながら調整する必要がありました。明るすぎてもトマトらしさが弱くなり、暗すぎても演出として伝わりにくくなります。
06-ⅲ. 素材感と展示耐久性の両立
地方車の外装では、土佐木材の木目を活かすため、UVプリントやニスの二度塗りを行いました。
見た目の重厚感を出しながら、短期間の制作物として組み立てやすく、展示時にも崩れにくい構造にする必要がありました。
07. 検証で見えた課題
07-ⅰ. 実装範囲と構想範囲の切り分け
企画段階では、鳴子と地方車の同期、NFCを使った応募導線、トマトパーカッションなど複数の体験を盛り込みました。
一方で、MVP段階ではすべてを本番運用レベルまで実装するのではなく、発表・展示で伝わる範囲に絞る必要がありました。
07-ⅱ. 複数人・屋外利用の未検証
実際の祭り会場で使うには、複数の鳴子を同時に使った場合の反応、通信の安定性、屋外での光の見え方、電源確保、安全性などを追加で検証する必要があります。
今回のMVPは、あくまで体験価値と見せ方を確認する段階であり、本番運用の検証は今後の課題として残りました。
07-ⅲ. 効果測定の未実装
参加者MVPという反応は得られましたが、高知トマトへの興味喚起や応募導線の効果を数値で測定する仕組みは実装していません。
今後は、NFCタッチ数、応募数、展示前後の認知変化などを取得できるようにすると、PR施策としての検証精度を高められます。
08. 改善ポイント
08-ⅰ. ハードウェアの安定性改善
- 配線の固定方法を見直す
- 基板と電源のメンテナンス性を高める
- LEDのID管理を実装前に整理する
- 鳴子側のセンサー反応を安定させる
08-ⅱ. 体験導線の改善
- 来場者が何をすればよいかを示す案内表示を追加する
- 光る・鳴る・応募する流れを1つのストーリーに整理する
- 展示だけでなく、実際に触れる体験時間を設計する
- 子どもや初見の来場者にも伝わる説明文を用意する
08-ⅲ. 検証指標の追加
- NFCのタッチ回数
- 体験後のアンケート
- 高知トマトへの興味度の変化
- 展示前で足を止めた人数
- 再体験や写真撮影などの行動ログ
09. 学び
09-ⅰ. 体験価値は素材と動作から設計できる
今回の制作では、よさこいの鳴子、地方車、高知トマト、土佐和紙、土佐木材といった地域性のある要素を、IoTの入力・出力として再構成しました。
地域PRでは、説明文を増やすだけでなく、地域に根ざした動作や素材を体験に変換することで、印象に残りやすくなると学びました。
09-ⅱ. MVPでは「何を見せるか」を絞る必要がある
短期間のハッカソンでは、すべての構想を完成させることは難しいため、検証したい体験価値を中心に実装範囲を決める必要があります。
今回の場合は、鳴子、光るトマト、地方車、トマトパーカッションという見た目と反応が伝わりやすい要素に絞ったことで、発表時に企画意図を伝えやすくなりました。
09-ⅲ. 図面と実装の往復が品質を上げる
設計図を描いて終わりではなく、基板や配線、素材の制約に合わせて何度も調整することで、展示できる形に近づけられました。
UI/UX設計だけでなく、実物の寸法、光の見え方、触ったときの反応まで含めて検証することの重要性を実感しました。
10. まとめ
10-ⅰ. MVP検証としての整理
「育む!高知トマト」は、よさこい祭りと高知トマトを掛け合わせた体験型PRを、短期間で形にしたMVPです。
地方車の模型、鳴子、LED、トマトパーカッション、地域素材を組み合わせることで、企画意図を視覚・音・動作で伝える検証ができました。
一方で、複数人利用、屋外運用、NFC応募導線、効果測定などは今後の検証課題です。次の段階では、展示での反応を定量的に測りながら、実運用に近いプロトタイプへ改善していきたいと考えています。
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