【物語-11|後編】広告代理店で成約率を上げられたのは? -interview

前談

【司会】パンダさん

前回の広告代理店でのプランナーのお話から、もう少しプランナーとしての成果率のお話を深掘りしてインタビューさせてくださいー

WEBプランナーとして成果率を高められた背景

新規部署を立ち上げを命じられて思うことは?


【司会】パンダさん

TFキリンさんは、そもそもコンテストなどもプランナーとしての受賞歴も多いですよね?この広告代理店での経験は大きいですか?

TFキリンさん

はい、大きいです。ここでの経験は、自身の半生を振り返っても絶好調の時期でした。プランナー職としても大きな自信になりました。前職のECサイトの立ち上げの成功は、社長の手腕が大きく影響していたのですが、この広告代理店の経験は、私がECで学んだことを独り立ちしてやっているフェーズだと思います。

【司会】パンダさん

独り立ちですか?1人で背負う怖さ、不安はなかったですか?

TFキリンさん

ご存知の通り、過去の新卒時代から新規事業の立ち上げ、ECサイトの立ち上げは、チームが1人でスタートすることが多かったので不安はなかったです。この時は、まだ失敗経験がなかったからでしょうね。かつ過労でハードワークすることも当たり前だと思ってたのでこの時はイケイケ〜!って感じでした。笑。(数年後に失敗経験をした後は、ハードワークが嫌だ!という思考になるのですが、全力投球で走ることができるメンタルと体力がありました。)

【司会】パンダさん

頭の中で意識して取り組んでいたことはありますか?

TFキリンさん

新規部署のWEB部門を1人で任されたので責任も感じてはいましたが、未知の業界だったので、まずは上司が求めること=社内で対応できなかった案件を私が捌く!この期待に応えることがスタート時の責務でしたね。

常に意識したのは、赤字部署にならないこと。私は「プランナーとしての経験値」を得て成長すること。

言い換えますと、
1)自分の部署の経費分(給料、オフィスの床面積のコスト含む)は会社に還元すること。最低でも損益分岐点は超える!
2)己の企画力で認められること!

結果としては、大きな黒字とプロダクトを立ち上げることができました。

求められていた成果とは?

【司会】パンダさん

新規部署や新規事業は、特に成果は問われますよね?制作や企画という立場でどう成果を上げるのですか?

TFキリンさん

これは企業規模によって回答が変わりますね。成果となるKPI=売り上げ額、ユーザー数、ブランド認知、組織の運用精度など。資金などの余力がある企業はそもそも売り上げに厳しくなかったりもする代わりに、着実なユーザー認知とプロダクト評価を上げることだったりもします。

クライアントが大企業で資本も大きかったので売上は自然についてくる。ここでの成果=クライアントの期待に如何にして応えるのか?が求められていることでしたね。だからプランナーとして企画勝負しやすい環境がありました。

【司会】パンダさん

それではクライアントの期待に応えるとは?どう考えてましたか?

TFキリンさん

クライアントワークが、BtoBの場合は、当然Bの満足が大事です!
そしてBtoBtoCの場合は、BではなくC!と明確に決めてました。Bが自社の利益都合で考えてCのためになってない時は、Cの味方になる意見を出す!ということを見誤らないということです。
まずクライアントの意向を知る意図でも、営業と同行することは必須だと決めて行動しました。

【司会】パンダさん

顧客ニーズを拾うには、直接、ヒアリングすることは重要ですよね。

TFキリンさん

そうですね。クライアントの意向や信頼関係は築く必要がありますしね。デザイナーもいろんなタイプがおり、依頼される制作だけをしてる方が好きなタイプもいれば、そうでない人もいる。この時の私は新規事業部署の立ち上げなので、自分の付加価値はやはり絶対的に売り上げを上げる存在であること!それはクライアントや社内の上役からの信頼を勝ち得ることだと思ってました。

以前に制作会社で営業マンのヒアリングが甘くて、成果物の出戻りやクレームが多かった話をしましたが、その解決策が営業と同行してニーズを探ることだったんですよね。

WEBプランナーとして成果を上げた秘訣は?

【司会】パンダさん

社内で営業マンよりも、営業ではないポジションで、TFキリンさんは成約率、成約額でNO1の業績を上げてたんですよね?どこに成功ポイントがあったんですか?

TFキリンさん

クライアントが大手企業で資金が豊富だったこと。それと関係者には恵まれていましたね。あとチームが私1人なので、営業ではないけど、私の成果実績と値が明確だった背景があります。

【司会】パンダさん

TFキリンさんだからこそ、勝ち得たことはありますか?

TFキリンさん

私が勝てた秘訣は、企画書の質と、それに込める熱意です!

【司会】パンダさん

企画書の質ってどうしたら生まれるのですか?

TFキリンさん

ドラえもんみたいに100%でヒット作を出すって難しいですよね。そもそも発想が浮かぶためには課題整理やヒントとなる発想の種が必要です。過去の体験、ニュースやセミナーで知ったこと、何が発想の種になるかわかりません。ヒット企画になりそうな高確度のアイデアが出せない時に、信頼を繋ぐのがパーソナリティや熱意だと感じたんです。

熱意を見える化するには?

TFキリンさん

クライアントの課題がわかった時に放置せずに、なるべく早く深掘りや考察を回答し、そしてソリューションに着手すること(放置しないこと)

【司会】パンダさん

自分のためにやってくれてるという姿勢は伝わりますものね。資料からも熱意は伝わります。

TFキリンさん

ただ資料で熱を伝えること=量という訳ではないです。
大事なことは「わかりやすさ、洗練された」「推し案と、代案の明確さ!」だと思います。

TFキリンさん

世間一般的にも上司からも「企画書作成に時間をかけるな!」ってよく指導されたり怒られるんですよね。
残業やハードワークが当たり前だったけど、上司(管理者)目線だと労働時間を削るなら、不採用になる提案書に時間をかけることは無駄!という発想なんです。私の感覚だと、削減すべき時間は、無駄な会議でしょ!」って思ってました。


当時から成果至上主義だった私は、自分が好きな“企画書作成”に時間をかけた分は、成果として取り返せる自信があった。

【司会】パンダさん

「成果として取り返せる?」をわかりやすく説明してもらっても良いですか?

TFキリンさん

安っぽく見える企画書Aと、精巧に作られた企画書Bがあります。その見積書を出すときに高いお金を出す決断をしてもらえるのはBだと思いませんか?最終的な完成イメージや、そのゴールへの道筋のイメージが湧く方が、クライアントでも社内でも決済が通りやすいと思いませんか?

【司会】パンダさん

そうですね。でも企画が不採用(失注)になったらそれまでの時間が無駄になる!という上司の意見はどう考えていますか?

TFキリンさん

「無駄」の定義の捉え方だと思います。実は不採用(失注)は空振りしてるようですが、振ったことに意味がある空振りをしているんですよ。クライアントが「熱意を感じていたら、どこかで気にかけてくれる場面が訪れます!」。

【司会】パンダさん

なるほどー。何かエピソード事例はありますか?

TFキリンさん

ある日、クライアントが年度末に予算が余っていた時があったんですね。その時に「TFキリンさんの不採用の企画あったでしょ?あれ請求書にしてください。提案書としてデータ納品してくれたら、支払いますよ!」と言われたんですよね。私は失注した企画書に対価をつけてもらえたこと=私の価値を評価してくれた!とても嬉しく感謝しました。

【司会】パンダさん

受注してない提案書に対価をつけてもらうのは、特に関西では考えられないですよね

学びPOINT私は成約率が高かったのはそういうことです。
安っぽい企画書Aでの失敗と、良い品質を全力投球の熱意を感じる企画書Bの失敗とは、空振りの価値が違うんです。
Bは失敗ではなく、プランナーが信頼を勝ち得る布石だと思ってるんですよね。

営業職ではなくとも、私は成約率を上げる

【司会】パンダさん

電通の過労死も社会ニュースになりましたね。広告代理店や制作会社はブラックな労働が当たり前でしたよね。確かに広告代理店は業務量は多いと思います。

TFキリンさん

資料作成に時間をかけるのが無駄な時間!という話の本質は「どうやったら質の高いアイデアを出して受け入れられる=成果の効率性の上げ方とは?が真因」だと思ってます。

【司会】パンダさん

業務期間中にオフィスで机に座って居なくて、定時以降から仕事をしていたら、残業代を稼ぐために昼間にサボっている!と思われますよね。
「あいつはどこで遊んでいるんだ?」とは管理職の立場だと思いますよね。

TFキリンさん

確かに!だから私は時給カウントにせずに、月給制にしてもらいました。歩合も付けて欲しかったですけどね。そこはあまり気にしてなかったし、過去の職場=サービス残業が当たり前という感覚で育ってましたからね。

TFキリンさん

営業やプランナーにもいろんなタイプがいると思いますが、私は社内に居ても良い発想は浮かばないし、雑談から発想が浮かんだり、外で歩いてる時に発想が浮かびます。

プランナーは経過途中を観察されて怒られるよりも、成果(受注数や受注単価)で能力を評価されるべきだと、ずっと思ってました。

 

次回

TFキリンさん

クライアントに自分がやりたいと思った企画資料を作って、大きな額の受注を取るという仕事は楽しかった。職場仲間にも恵まれました。薬事法の縛りがなければ、もっとより良いコンテンツを提案していけるのではないだろうか?!こうしてプランナーの面白さを天職だと感じ始めたのです。

【司会】パンダさん

これが、のちにコンテストで受賞を重ねていくことに繋がってそうですね。

次回の物語は、某大手インターネットサイトの加入案内でのデザイナー業務のお話ですね。

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前回

【物語10】毛皮卸店でのEC通販立上げでプロジェクトリーダーになる

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